カーディガン(英語cardigan jacket)
「(毛糸で編んだ、前合わせで襟がない袖の長いジャケット)」
クリミア戦争(1853〜56)の時に、イギリスのカーディガン伯爵がこのジャケットを愛用したので、伯爵
の名が付けられた。
カード(英語card)
「適当に切りそろえた紙。カルタ・トランプの札。野球などの対戦組み合わせ」
ラテン語charta「紙」、ギリシア語khartes「パピルスで作った紙」に基づく古代フランス語charte「図表。
地図。券」から。
cf. マグナ=カルタ(大憲章。1215年)
カシミア(英語cashmere)
「(インド西北のカシミール地方でヤギの毛で織った柔らかい布地)」
ヒンディー語Kashimir「カシミール地方」から。現在、イスラームのパキスタンとヒンドゥー教のインド
間で紛争地帯。
カステラ(ポルトガル語Castelha)
「(鶏卵、小麦粉、砂糖などを混ぜて天火で焼いた菓子)」
ポルトガル語のpao de Castella「カスティリアのパン」から。スペインのCastella「カスティリア地方」で
作られたことに基づき、ここはレコンキスタ(イスラームに対するキリスト教徒の「国土回復運動」)の
中心であったカスティリア王国の地。15世紀後半にアラゴン王国と「結婚」してスペイン王国となる。
なお、この菓子はポルトガル人によって、室町時代の終り頃に日本にもたらされた。
カボチャ(ポルトガル語Camboja)
「南瓜」
インドシナ半島南東の地域名カンボジア(最初の国は真臘<しんろう 6C〜15C 中国名>で、唐
に朝貢した)に基づく。
日本ではカンボジア原産と考えられたのでこの名を付けた。「カンボジアの瓜」の意。もとはアメリカ大陸が
原産。天正年間(1573〜92)に、中国(明)を経て九州に渡来したので、トウナス「唐(「中国」の意)茄子」、
ナンキン(明の都<1368〜1421>の南京から)とも呼ばれる。
cf. ボウブラとも言うが、これはポルトガル語abobora「瓜」に基づく。
カルタ(ポルトガル語carta)
「絵や文字を書いた遊びに使う厚紙。それを取り合う遊び」
ギリシア語khaartes「パピルス」に基づき、ラテン語charta「紙。羊皮紙」から。
cf. カルテ(ドイツ語Karte)「診察の記録。病歴を記入するカード」も、カードやカルタと同じ語源。
cf. チャーター(英語charter)「飛行機、バス、船などを契約して借りること」も同様。
カンガルー(英語kangaroo)
「(オーストラリアに生息する動物の名前)」
イギリスの探検家クックが、今のオーストラリアでその動物の名を尋ねたところ、原住民のアボリジニーの
人がカンガルー「私は知らない」と答えたのがその名になった。
カレッジ(英語college)
「単科大学」
ラテン語collegium「団体。組合。ギルド」から。collega「同僚」に基づき、legere「集める」から。もとは同じ
仕事や主張を持つ者の集まりをいった。
ユニバーシティ(英語university)「総合大学」が、ラテン語universus「全体の。一般の」から、universitas
「組合。団体。ギルド」となり、それに基づく中世ラテン語universitas (magistrorum et scholarium)
「(教師と学生の)組合」となったのと同じ。
大学は、中世ヨ−ロッパ都市に生まれた自治組織で、ギルドと性格が似ていて特権と自由が保証さ
れたので。
cf. 室町時代のコレジオ(ポルトガル語colegio「安土桃山時代、キリシタンが日本に開設した神学校」)もカレッジと同系の語。
カンニング(英語cunning)
日本での学生用語で「試験を受けるものの不正行為」のこと。
その意味を表す英語はcheatingやcribbingになる。中世英語conning「巧妙な」からシェークスピア以後
「ずるい」という意味になった。
cf. 19世紀前半のイギリス外相カニングの、将来の市場支配をにらんだ中米諸国に対する独立支持の
「カニング外交」。
ギャラリー(英語gallery)
「画廊。ゴルフの観客」
古代ローマの属州イスラエルの地名で、「諸国民の地域」の意味Galilaea(ガリラヤ地方)から。古代フランス
語でgalerieは「回廊(回り廊下。建物どうしをつなぐ屋根付きの通路)」の意味に。英語では「廊下」。
ギロチン(フランス語guillotine)
考案者の医師Joseph Ignace Guillotin(ギヨタン)の名前に基づく。フランス革命から用いられた死刑執
行の首切り台。断頭台
クリスマス(英語Christmas)
「キリストのミサ」
冬至の祭りが変化したもの。
cf. Xmasと書くのはギリシア語のキリストの頭文字XをChristに代用したもの。masはミサmassの簡略形。
クロワッサン(フランス語croissant)
ドイツ語のHornchen「三日月パン」(小さいHorn「角」の意)が、19世紀にフランス語croissant「三日月」
(ラテン語crescere「成長する」から)と翻訳されたもの。
cf. 1683年のオスマン=トルコ帝国によるウィーン包囲の撃退に成功したことを記念して
オーストリアのウィーンで作られたもの。
ゲリラ(スペイン語guerrilla)
「小部隊で敵をかき乱す遊撃隊。遊撃線」
スペイン語の原義は「小さい戦争」。スペイン語guerra「戦争」に基づく。
cf. 19世紀初のナポレオンのスペイン支配に対する抵抗運動から一般的に用いられるようになった。
ゴシック(英語gothic)
「肉太の活字」
ラテン語Gothi「ゴート族」に由来し、フランス語のgothique「ゴート族風」から。